漫画をあまり読まない僕が『SLAM DUNK』だけは何度も読み返す理由

『SLAM DUNK』新装再編版の全20巻を木目の棚に並べた写真

本棚を整理したのをきっかけに、今年も『SLAM DUNK』を全巻読み返しました。

僕は昔から、それほど漫画を読むほうではありません。そんな僕が今、唯一全巻をそろえて本棚に置いているのが『SLAM DUNK』です。

だいたい年に一度、ふと読みたくなったときに手に取ります。そして毎回、途中で区切る場所が分からなくなり、そのまま最後まで読んでしまいます(笑)

僕自身、ミニバスから社会人までバスケを続けていました。そのため、小学生の頃と、高校生になって練習を重ねてからとでは、印象に残る場面も少しずつ変わっています。

今では読むたびに泣いてしまう、大切な作品です。

今回は作品全体を紹介するレビューというより、読み返して今感じたことを、昔の思い出も交えながら書いてみます。好きな場面や選手の話に、だいぶ偏ると思います(笑)

目次

小学生の頃に出会った『SLAM DUNK』

『SLAM DUNK』を読み始めたのは、小学5年生くらいだったと思います。

当時はミニバスをしていて、『ドラゴンボール』を目当てに読んでいた『週刊少年ジャンプ』で出会いました。連載のどのあたりから読み始めたのかまでは、もう覚えていません。

もともとスポーツ漫画が好きだったことに加えて、当時はほかのバスケ漫画をほとんど知らなかったので、自然と興味を持ったのだと思います。

序盤はキャラクターの紹介が中心で、話の進み方は少しゆっくりです。絵柄も今見ると、ちょっと重たく感じるかもしれません。

ただ、県大会予選の翔陽戦あたりから試合がぐっと面白くなり、絵の躍動感も一気に増していきます。魅力的な選手も次々と登場して、ここからは本当に読むのを止められなくなります。

高校時代、仲間と『SLAM DUNK』を真似した時間

高校時代、部活が終わったあとに30分ほど、自由に体育館を使える時間がありました。

その時間になると、『SLAM DUNK』が好きな仲間たちと、キャラクターのセリフやナレーションを言いながら、作中のプレーを真似してよく遊んでいました(笑)

『SLAM DUNK』は名言だらけの作品だとよく言われますが、好きな人同士だと、有名なセリフだけでなく、ちょっとした一言やナレーションまで普通に通じるんですよね。

誰かが言い始めると、すぐにほかの誰かが反応する。今思い返しても、楽しい時間でした。

派手なプレーよりも、基礎の積み重ねが残る

そんなふうに遊びながらも、実際にバスケを続けるうちに、基礎や反復練習の大切さも少しずつ分かってきました。小手先の技術だけでは、どこかで通用しなくなることも実感しました。

ときには「高校生にこんなプレーができるのか」と思うような派手な場面もあります。それでも、作品の土台にあるのは意外なくらい地道なバスケです。

改めて読み返すと、桜木の成長の見え方も変わります。

作品のタイトルは『SLAM DUNK』ですが、桜木が繰り返し練習するのはレイアップやジャンプシュートといった基本的なプレーです。もともとの身体能力に加えて、リバウンドという自分の武器も見つけていきます。

そして最後に放つのも、何度も練習してきたジャンプシュートです。

あれだけ派手な才能を持った桜木の物語を、練習してきた一本で締める。この流れが本当に好きです。

子どもの頃より、大人になった今のほうが泣いてしまう

小学生の頃に読んでいたときは、今ほど感動していなかったと思います。

試合の勝ち負けや、誰が活躍したか。そのくらいの感覚で読んでいました。

高校生になり、大人になってから読み返すと、それぞれの選手がそこまでに過ごしてきた時間まで見えるようになりました。

試合に出られなかった時間、周りとの温度差、努力しても報われない悔しさ。そういうものが分かるようになったからこそ、昔は何気なく読んでいた場面なのに、今は泣いてしまうんですよね。

ここからは、特に好きな場面や登場人物について書いていきます。

ネタバレ注意

※この先は、物語終盤を含むネタバレがあります。

小暮の3年間と、赤木・魚住の変化

選手が積み重ねてきた時間が、一つのプレーに重なって見える瞬間があります。陵南戦で小暮が決める3ポイントが、まさにそうです。

ずっと目立つ選手ではなかった小暮が、ここぞという場面で結果を出します。そこで田岡監督が、小暮も3年間頑張ってきた選手なのだと気づく流れがいいんですよね。

山王戦では、赤木が事前に練習していたスピンムーブを河田にあっさり止められる場面も印象に残っています。

赤木にとって念を入れて練習したプレーがまったく通用しない。河田がどれだけ強い選手なのかを、一発で分からせる場面でもあります。

赤木は河田との一対一にこだわり、苦しんでいました。ここで思い出すのが、陵南の魚住です。同じポジションの赤木を、登場した頃からライバル視してきました。

でも魚住は、県大会決勝リーグの海南戦で気づきます。自分が点を取らなくても、仙道や福田が決めてくれる。ならば自分は体を張って、周りの選手を支えればいい、と。

そして山王戦。その魚住が板前の格好で赤木の前に現れます。大根のかつらむきをしながらヒントを与える、あの場面です。

真剣な試合の最中に突然大根をむき始めるのは、何度見てもシュールです(笑)。少し笑わせながら、かつての自分と同じ壁にぶつかった赤木を後押しする。このふざけてるんだけどふざけてない感じがうまいんですよね。

魚住のヒントを受けて、赤木も河田との一対一にこだわるのをやめ、周りの選手を生かすプレーに切り替えます。ライバルだった二人が、同じ答えにたどり着く。そんな関係が僕は好きです。

一番好きなのは田岡監督かもしれない

好きなキャラクターを一人だけ選ぶのは難しいのですが、あえて挙げるなら……田岡監督です。

厳しい監督ではありますが、選手一人ひとりをきちんと見ています。敗戦後には選手を責めず、責任を自分で引き受けます。

試合中は感情的になることもあり、決して完璧な監督ではありません。それでも最後は選手を認めて守る。そういうところが、やっぱり格好いいんですよね。

次に好きなのは牧紳一でしょうか。

高校生とは思えない貫禄も含めて(笑)、存在感があります。リーダーシップがあり、どんな試合でも高い水準のプレーを続ける安定感も魅力です。

もっと見たかった土屋淳

登場場面は少ないものの、ずっと気になっているのが大栄学園の土屋淳です。

長身のフロアリーダーで、自分が得点するだけでなく、周りの選手を生かすのもうまい。彦一が仙道に近いタイプだと見ていたのも納得できます。

プレーも表情も、妙に印象に残っているんですよね。なので大栄学園の試合を、もっと見てみたかったです。

話の合間に入る小さなギャグも好き

試合とは直接関係ありませんが、話の合間に入る作者の落書きのような小さなギャグも好きです。

真剣な試合のすぐあとに、倒れた選手をつついていたり、選手のいら立ちを大げさに描いていたりします。

本編では格好いい選手たちが、急にゆるい姿になる。この温度差が面白いんですよね。

読み返すたびに本編へ夢中になりますが、こういう細かいところも毎回楽しみにしています。

全員坊主なのに個性的な山王工業

山王工業は、物語の最後に立ちはだかるラスボスのようなチームです。

普通なら、強敵には派手な見た目や分かりやすい格好よさを持たせそうなところですが、山王の選手は全員が坊主頭です。

当時はほかのスポーツも含めて、強豪校では坊主が当たり前という雰囲気が今より強かったと思います。あの見た目だけでも、ずっとバスケに打ち込んできたチームなんだろうな、と感じるんですよね。

全員が同じ坊主頭で並んだときの王者のオーラもすごく、試合が始まる前から「これは相当強い」と思わせる説得力があります。

それでいて、沢北、河田、深津と、一人ひとりの顔や体格、表情はしっかり違います。全員坊主なのに誰も同じに見えないのも、改めて考えるとすごいです。

桜木が本当にバスケを好きになるまで

桜木がバスケを始めたきっかけは、一目惚れした晴子に格好いいところを見せたかったからです。

最初はバスケが好きなふりをしていただけでした。それでも練習や試合を重ね、仲間と一緒に戦ううちに、少しずつ本当にバスケが好きになっていきます。

山王戦の終盤、これまでのバスケの記憶が次々とよみがえったあとに出てくる、

「大好きです 今度は嘘じゃないっす」

この一言がたまりません。

物語の序盤についた嘘を、最後の大事な場面で回収しています。桜木がどれだけバスケを好きになったのかを、長い説明ではなく、この一言で全部伝えてくるんですよね。

子どもの頃より、今のほうがずっと刺さる場面です。

絵だけで進んでいく、山王戦最後の攻防

山王戦の最後、「深津のゲームメイクに託した」から湘北が逆転するまでの間、試合は絵だけで進んでいきます。

その間に入るセリフは、桜木のつぶやきだけです。

この流れが本当にすごい。

ほとんどセリフも説明もないのに、選手の動きや表情を追っているだけで、試合の速さや会場の緊張感が伝わってきます。音のない漫画なのに、シューズが床をこする音やボールの弾む音まで聞こえてきそうです。

何度も読んで結末を知っているのに、ここまで来るとページをめくる手が止まりません。僕もその場にいるような感覚になって、息をするのも忘れるくらい引き込まれます。

そして、張りつめた空気の中で出てくる「左手は添えるだけ…」。

桜木が何度も練習してきたことが、最後の最後にこの一言へつながるんですよね。

最後のシュートはもちろんですが、そこへ向かう無言の時間も含めて、何度読んでもたまらない場面です。

それでも続編は見たくない

山王戦まで読み終えると、ほかの選手たちはどうなったんだろう、とつい考えてしまいます。

ただ、続編を本当に読みたいかと聞かれると……少し迷います。

山王戦までの物語が、あまりにもきれいに終わっているからです。魅力的な3年生たちも引退していきますし、このまま終わっているからこその完成度もあります。

もっと見たい。でも、このままであってほしい。

今はそんな気持ちです。

映画は試合が始まったあたりから泣いていた

映画『THE FIRST SLAM DUNK』も、公開後すぐに観に行きました。

山王戦が始まったあたりから、もう泣いていました(笑)

絵や動きが思っていた以上に原作を思い出させるもので、観ながらこの先の展開まで頭に浮かんできたんですよね。映画ではまだ試合が始まったばかりなのに、僕の頭の中ではもうだいぶ先まで話が進んでいて。それで早くから涙が出たのかもしれません。

映画については、いずれ別の記事で改めて書きたいと思っています。

これからも本棚に置いておきたい

最初は通常の単行本を買い、その後、約20年前に完全版をそろえました。

引っ越しのときに手元から離れてしまいましたが、約5年前に新装再編版をもう一度全巻購入しました。現在、本棚に並んでいるのはこの新装再編版です。

同じ作品を形を変えて何度も買うことになるとは、子どもの頃には思っていませんでした。それでも、手放したままにはできなかったんですよね。

今回は特に好きな場面や登場人物について書きましたが、まだ触れていないキャラクターやチームもたくさんあります。

語り始めると本当にきりがないので……今回はこのくらいにしておきます(笑)

年に一度くらい読み返し、毎回同じような場面で泣く。それでも、しばらくするとまた読みたくなります。

僕にとって『SLAM DUNK』は、ただ好きな漫画というだけではありません。自分がバスケをしていた時間や、子どもの頃の記憶まで一緒に思い出させてくれる作品です。

これだけは、これからもずっと本棚に置いておくと思います。

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この記事を書いた人

ガジェットや暮らしを整えることが好きで、ゲームや映画、旅行なども楽しんでいます。翔ログでは、「ほどよい最適化」と「日々の体験談」を2本柱に、実際に使ったものや体験したことを自分の言葉で発信しています。

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